イメージが創る、『サイファー』という新たなゲーム

私の地元九州と比べると、大阪はヒップホップグループが多い印象がある。『韻踏合連合』とか『コッペパン』とか。今テレビで知名度が急上昇中の即興ラッパー『R指定』は「梅田サイファー」に参加していた。

大阪はサイファー文化が根付いている土地なのかもしれない。サイファーの素晴らしいところは、場所の制約を受けないところだと思う。駅前以外では、高架下でやっていたり、普通なら誰も目にくれないような場所がフィールドになる。

さっき取り上げた「梅田サイファー」も、阪神梅田駅に向かう歩道橋の上でやっていたらしいし、大阪はごちゃごちゃしてるイメージがあるけど、そのまま放置するのは勿体ないくらいのスペースって、意外とあると思う。

やってる本人達はそんなこと考えないのだろうけど、街の「余白」を有効活用して「遊び場」にするサイファーって、結構奥が深いのかもしれない・・。こういう街の捉え方って、坂口恭平のホームレス論とかとも結びつけられる文化だね。彼は「こうあるべき」っていう「ISM」じゃなくてより綿密に対象を捉えていく「I zoom」って考えを述べていたけど。一見何の価値もない場所に価値を創造していく姿勢って、すごくクリエイティブだと思う。

街の細部を捉えて遊び場を作り、自分達のゲームを創造する手段としてのサイファー。いつから活発になったのか気になるけど、公園や空き地といった「与えられている遊び場」の減少と関係しているのかなぁ、と推測している。

サイファーとの遭遇

「今日も頑張った自分!」と労をねぎらいながらバイト先の最寄り駅に着いたところで、脇の方から何やら賑やかな音が聴こえてくる。音の方向に歩いて行くと、ビートボックスを囲んで5〜6人の集団がラップをしていた。

噂で耳にしてはいたが、これがいわゆる『サイファー(ヒップホップ)』か。
※サイファーは、複数人が輪になって即興でラップをすることである。(Wikipediaより)

実は私、大学に入学してからラップ音楽が好きになりまして。最初にYoutubeで見たときは、強面の人達がオラついて歌ってるなーくらいの印象だったけど、歌詞から浮かび上がってくる、変に勘ぐらないでシンプルに物事を捉える姿勢に興味を抱くようになり、今では自分でアルバムを購入するくらいどっぷりはまっている(笑)
(1年前の自分にこのことを伝えたら確実に驚くだろう)

ただ、ラッパーのライブはどうしてもクラブ中心になるので中々足が向かわず(こ・・怖い)こうした『リアルな現場』は初めてだったのでとても興奮!このサイファーではどういった言葉の応酬を繰り広げているのか、興味が湧き、でも近くに行く勇気はなく、遠目から様子を眺める。

♪これが俺のやり方 言葉で見せる生き様
♪盛り上げてく地元が最高 馴染みの仲間に溢れる愛情
♪やり方⇄生き様
♪最高⇄愛情

おぉ!韻を踏んでる!!(感動)
自分達で楽しみを見つけていく姿勢は見習わないとな〜と関心。もう少し聞きたかったけど、明日は朝からバイトが入っているので早々に切り上げる。