イメージが創る、『サイファー』という新たなゲーム

私の地元九州と比べると、大阪はヒップホップグループが多い印象がある。『韻踏合連合』とか『コッペパン』とか。今テレビで知名度が急上昇中の即興ラッパー『R指定』は「梅田サイファー」に参加していた。

大阪はサイファー文化が根付いている土地なのかもしれない。サイファーの素晴らしいところは、場所の制約を受けないところだと思う。駅前以外では、高架下でやっていたり、普通なら誰も目にくれないような場所がフィールドになる。

さっき取り上げた「梅田サイファー」も、阪神梅田駅に向かう歩道橋の上でやっていたらしいし、大阪はごちゃごちゃしてるイメージがあるけど、そのまま放置するのは勿体ないくらいのスペースって、意外とあると思う。

やってる本人達はそんなこと考えないのだろうけど、街の「余白」を有効活用して「遊び場」にするサイファーって、結構奥が深いのかもしれない・・。こういう街の捉え方って、坂口恭平のホームレス論とかとも結びつけられる文化だね。彼は「こうあるべき」っていう「ISM」じゃなくてより綿密に対象を捉えていく「I zoom」って考えを述べていたけど。一見何の価値もない場所に価値を創造していく姿勢って、すごくクリエイティブだと思う。

街の細部を捉えて遊び場を作り、自分達のゲームを創造する手段としてのサイファー。いつから活発になったのか気になるけど、公園や空き地といった「与えられている遊び場」の減少と関係しているのかなぁ、と推測している。